銀行取引明細書から作るT-12:現金主義か、賃料を賃借人一覧から取るか
銀行取引明細書が示すのは、入ってきたお金と出ていったお金です。支払われるべき賃料や、空いたままの部屋、相場より安く払っている入居者は示しません。賃借人一覧なら示せます。T-12の種類ごとにわかることと、両方を組み合わせるときの注意点を説明します。
確認するのは本当に手間のかかる作業です。賃料を賃借人一覧から取るT-12は、賃借人一覧と部屋ごとに一致し、なおかつ月ごとに、銀行の記録が示す回収済みの賃料に行き着かなければなりません。1部屋でも読み間違えたり、ある月を違う賃借人一覧と組み合わせたりすると、空室損と相場との賃料差が間違ったまま、合計は普通に見えてしまいます。
現金主義のT-12
銀行取引明細書だけから作ったT-12は、各月の賃料を、その月に入ってきたお金として示します。現金の記録としてはいちばん正確で、賃借人一覧がないときに作れるのはこれだけです。
示せないのは、賃料がなぜその額だったのかです。低い月は、空室、入居者の支払い遅れ、賃料の値引きのどれかかもしれません。高い月は、入居者が滞納分をまとめて払ったのかもしれません。銀行が示すのは入金だけです。
賃料は賃借人一覧から、それ以外は現金主義で
賃借人一覧があれば、賃料を融資審査の担当者が読む形で示せます。
- 総潜在賃料:すべての部屋を相場賃料で計算したもの。
- 相場との賃料差:入居中の部屋が相場賃料よりどれだけ安く払っているか。
- 空室損:空いている部屋の相場賃料。
- 収入を生まない部屋と値引き:モデルルーム、事務所やスタッフ用の部屋、無償にした賃料。
- 回収損失とタイミング:支払われるべき賃料と、銀行の記録が示す回収済みの賃料との差。
最後の行が、全体を正直に保ちます。賃料をどう分けても、最後は実際に入ってきた賃料に行き着きます。費用は、銀行が示すとおり現金主義のままです。
賃借人一覧は1つか、月ごとに1つか
賃借人一覧が示すのは、ある1日の状態です。毎月末の賃借人一覧があれば、各月にその月の空室損と相場との賃料差が出せます。1つしかなければ、それをすべての月に当てはめ、その一覧が対象としていない月は推定と明記して、誰も事実として読まないようにします。
AIに両方を組み合わせてもらうときの注意点
- 賃借人一覧の読み間違い。部屋が1つ抜ける、空室が入居中と読まれる、相場賃料が違う列から取られる。部屋ごとの数字を足して、賃借人一覧に印字された合計と一致するか確認してください。
- 月に対して違う賃借人一覧。各月には、その月の日付の賃借人一覧を使うか、推定であると明記すべきです。
- 賃料の二重計上。賃借人一覧の予定賃料が、銀行の賃料と照合されずに上乗せされています。回収済みの賃料は、銀行の数字と1セント単位まで一致するはずです。
- 回収損失が無理にゼロにされている。予定賃料と回収済みの賃料がいつもぴったり一致しているなら、どこかで数字が合わせ込まれています。
どちらが必要ですか?
賃借人一覧がなければ、現金主義のT-12が正直な答えです。賃借人一覧があれば、分けて示すことで賃料がなぜその額なのかがわかります。どれだけが空室で、どれだけが相場より安い契約で、どれだけが入居者の未払いなのか。買い手や金融機関が知りたいのは、たいていそこです。