AIで作成した銀行取引明細書の表を確認する方法
AIツールを使えば、大量の銀行取引明細書を数分で表にできます。正しいことも多いでしょう。問題は、間違っているときも見た目がまったく変わらないことです。少ない手間で最も多くのミスを見つけられる順に、AIの作業を確認する方法を解説します。
要点。AIに「合っているか」を聞くのではなく、表を明細書と照合してください。残高、月、行数、分類です。以下の手順は、それぞれ異なる種類のミスを見つけます。
なぜ確認が必要なのか
チャット型のAIは、最もありそうな答えを書きます。電卓のように列を足し算するわけでも、ページを見直すわけでもありません。そのため、数字を読み間違えたり、行を飛ばしたり、同じ支払いを二重に数えたり、合計を合わせるために数字をでっち上げたりします。いわゆるAIのハルシネーションです。でっち上げた行は、本物の行と見分けがつきません。AIに見直しを頼んでも直りません。間違えたときと同じ目で見直すからです。
1. 期首残高+取引=期末残高
明細書ごとに、期首残高にすべての入金を足し、すべての出金を引いた額が、銀行の記載した期末残高と1セント単位で一致するはずです。一致しなければ、行の漏れ、重複、読み間違いのいずれかです。手早くできて多くのミスが見つかるので、最初に行います。
注意:AIに残高を合わせるよう指示していると、AIは架空の行を追加して無理に合わせることがあります。そのため、手順3も必ず行ってください。
2. 各月の期末残高=翌月の期首残高
明細書を順番に並べます。3月の期末残高は、4月の期首残高と同じはずです。違っていれば、1か月分か1ページが抜けているか、どれかを二重に読んでいます。1か月まるごと抜けていても、明細書単体では合ってしまうため、この手順で手順1ではわからないものが見つかります。
3. ページごとの取引件数を数える
PDFの各ページの行数を数え、表の該当ページの行数と比べます。件数が違えば、行が飛ばされたか、2行に分かれたか、でっち上げられたかです。
4. 明細書が重なる部分で重複を探す
明細書は数日分重なることがよくあり、ダウンロードした明細書が紙の明細書と重複することもあります。日付と金額で並べ替え、同じ日に同じ支払いが2回ないか探してから、PDFに戻って確認します。同じ値段のコーヒーを本当に2杯買ったのなら問題ありません。1杯のコーヒーを2回読んだのならミスです。
5. 自分の口座間の振替は両側に表示される
普通預金から貯蓄口座に移したお金は、収入でも支出でもありません。一方の口座からの出金として1回、もう一方への入金として1回、同じ金額で表示され、どちらも振替に分類されるはずです。片方しかなければ、明細書が1枚足りません。振替が収入に入っていれば、収入が過大になっています。
6. 出金と入金が逆になっていない
AIは出金を入金と読み違えることがあります。特に、明細書がマイナス記号付きの1列だけの場合や、金額の後に“CR”や“DR”と書かれている場合です。返金、戻ってきた支払い、手数料をいくつか確認してください。最も逆になりやすい行です。1行逆になると、合計はその金額の2倍ずれます。
7. 年末前後の日付が正しい年になっている
年が記載されていない明細書は少なくありません。1月にまたがる12月の明細書では、1月の行が違う年に入ることがあります。特に税務用の表なら、1月1日前後の行を確認してください。
8. スキャンした明細書の数字の読み間違い
スキャンや写真では、8が3に、1が7になったり、小数点が消えたりします。たいていは手順1で明細書が合わないことがわかります。どの行かを探すには、まず高額のものからPDFと見比べてください。小数点が消えると、金額は100倍になるからです。
9. 同じ取引先は常に同じカテゴリ
摘要で並べ替えます。そこで本当に違うものを買ったのでない限り、同じ取引先はどの行でも同じカテゴリのはずです。AIは同じガソリンスタンドを、ある月はガソリン代、翌月は食料品に分類することがよくあります。
これらの手順でわからないこと
手順1~8で、行が明細書と一致していることがわかります。分類が正しいかどうかは、手順9とご自身の判断でしかわかりません。表がぴったり合っていても、支出が間違ったカテゴリに入っていることがあります。理由は残高が合っていても銀行取引明細書が間違っていることがある理由で解説しています。
チェックリスト
- どの明細書も、期首残高+取引=期末残高。
- 期末残高=翌月の期首残高。
- 行数がPDFとページごとに一致。
- 明細書が重なる部分に重複がない。
- 自分の口座間の振替が両側にあり、振替に分類されている。
- 返金、戻ってきた支払い、手数料が逆になっていない。
- 年末前後の日付が正しい年。
- スキャンの高額な金額をPDFと照合済み。
- 同じ取引先は常に同じカテゴリ。